カードローンの借入先を探していると、必ずと言っていいほどに見かける言葉があります。
ネットだけでなくチラシでもあるのですが、「ブラックでもok」と謳っている貸金業者や情報は少なくありません。
しかし、さらに消費者金融やカードローンの情報を集めてみると、本来ならばブラックと言われる人は、そう簡単にお金を借りることはできないような話もあります。
実際に「ブラックでもok」と謳っているところは本当に審査が通るのでしょうか?
ブラックはよく見かける言葉だが、そもそもブラックは何を指すの?
ネットにしろチラシにしろ、「ブラックでもok」などの表記は、氾濫していると言っても過言ではないほどにカードローンの広告ではよく見かける言葉です。
このブラックですが、実際にその言葉の意味をしっかりと理解している人はどれくらいいるのでしょうか?大よその人はだいたいの意味はわかっていると思います。
しかしカードローンの借り入れに関して、厳密には「ブラック」になった者も言葉自体もないのです。いわゆる俗語のようなものと考えていい言葉です。
「ブラック」とは信用情報に傷があり、新たにローンを組めないこと
そもそも「ブラック」とはどういうものか、から考えてみたいと思います。
個人信用情報機関に過去を含む金融事故の記録が残っているために、信用情報に傷があるとしてカードローン等の審査において落ちてしまう人を指しています。
その個人信用情報機関ですが、聞いたことのある人と、「それは何かわからない」という人もいるでしょう。
個人信用情報機関は、会員として加盟している会社から、登録された個人の信用情報を管理、提供したりすることで消費者個人と会社の金融取り引きを支えています。
個人のローンやクレジット等を契約した際の、取引内容を記録したものを指しています。例えばカードローンを組んだ時の契約内容から、返済が毎月滞りなく行われたかどうか、延滞や債務整理があった場合は、その事実も記録として残ります。
例えば、
↓
B会社は、カードローンの審査にあたってC信用情報機関にAさんの信用情報を照会します。
↓
そこにはAさんの過去、D社のローンの履歴で自己破産の記録があるとわかったとします。
↓
結果としてB社はAさんの審査を不可と判断するということです。
実際にはブラックという名称での信用情報の記録は存在しないのですが、この例で言えば、Aさんはブラックになっていると言う言い方になるのです。
信用情報に傷がある、または金融事故になっているというのは、主にこのような状態が記録されていることを意味します。
- 延滞
- 債務整理(任意整理、民事再生、自己破産)
- 代位弁済
- 保証履行
- 強制解約 など
なじみのない言葉もあるかと思いますが、要は借金の返済がきちんとできていない、過去できなかった時期があり、そのために各種手続きをしたことを表しています。
ちなみに延滞ですが、返済の期日に間に合わなかったとしてもすぐに対応していれば、今後の審査に影響を与えるものではないので必要以上に心配することはないでしょう。今後の審査に影響を与えるのは、目安として(会社により判断基準が違うのですが)、3カ月以上の延滞があった場合と言われています。
信用情報機関は3つあり、金融機関はどこかの機関に会員となっている
肝心の信用情報機関ですが、3つあります。消費者金融やクレジット会社、銀行も含めて、金融機関は大抵、この3つのうちのどこかの信用情報機関の会員となっています。
- (株)日本信用情報機構 ※JICCと表記されることが多い
- (株)シー・アイ・シー ※CICと 〃
- 全国銀行個人信用情報センター ※KSCと 〃
業種によって会員登録している信用情報機関は分かれるのですが、これら3つの機関はそれぞれ情報交流を行っているため、例え会員登録していない金融機関の信用情報でも知ることはできます。
例えば、過去にJICCに会員となっている消費者金融で自己破産をしていたとして、CICに会員になっている会社に申し込みをすれば過去の自己破産の事実はばれないだろうと思っても、実際にはその情報を知られて審査に落ちる可能性は多いにあるのです。
申し込みにもブラックはある!立て続けに申し込みはしない方がいい
ブラックの中でも「申し込みブラック」という言葉もあります。
これは返済に関係する内容ではなく、申し込みに関して問題があったことを意味しています。
一定の時期に集中して、あちこちにカードローン等の申し込みをしてしまう人を指しています。あまりに申し込みを多く行っていることで、「返済の目途もないままにお金を借りているのではないか」と金融機関で判断されて審査に落ちてしまいます。
よく審査が心配で、「念のために」と複数社の消費者金融や銀行にカードローンを申し込む人がいます。しかし、申し込みをしたという事実も信用情報機関に記録されます。そのため、複数社への申し込みの事実も金融機関にわかってしまい、かえって「返済計画は大丈夫なのか?」と不振を招くことになります。
ブラックでも審査に通ると言われる業者はどこ?実際にあるのか
肝心の「ブラックでもok」の表記がある業者は多く存在しますが、実際にそれが本当なのか、どこにあるのかを考えたいと思います。
現実として、ブラックでも審査に通ると言われる貸金業を営んでいる企業は、まずほとんどないと考えた方がいいでしょう。
ということは、やはり「ブラックでもok」なのは、ウソなのかと言うことになるのですが、全くのウソとも言い切れせん。どういうことなのでしょうか。
中小消費者金融ならok?実際にブラックでも通る可能性があるのは…
ブラックでもokな貸金業者は、簡単に説明すると、中小規模の消費者金融の方が、かなり可能性が出てきます。
- 何故か?いくつかの理由が考えられます。
- 規模が小さく知名度がないために顧客の範囲を広げている
- 審査基準が独自にあり、過去よりも現状の返済能力で判断される
- 対面での審査が多く、機械で判断できない部分も考慮される
規模の小さな消費者金融は、銀行や大手よりも知名度がない分、申し込みする人の絶対数が違います。しかし利益を上げるには、顧客の数もある程度必要になってきます。
申込者に多少返済能力に力不足を感じても、返済方法を相談して対応できるようにするなど、柔軟な対応をすることにより顧客の幅を広げる必要もあるのです。
また、大手よりも経費が掛けられない分、機械で一律判断するという方法をとっていない所が多くあります。もちろん大手でも最終的な判断は人が決めるのですが、そこにたどり着くまでには点数制の形で機械判断によるものとなっている所が多いのです。
そのため機械による審査を行っている場合、例えば実際には年収が少なくとも節約がしっかりと出来ていて返済能力がある人でも、数字だけで不可と判断されることもあります。特に過去の金融事故の履歴がある場合、判断の材料としてはわかりやすく、すぐに不可となりやすいです。
しかし、中小規模の消費者金融の場合は、現状の返済ができるかどうかで判断します。
先ほどの柔軟な対応もここに関係してきます。そして、対面や電話などでその人となりを見て審査の判断にします。
例え小額でも誠実に毎月滞りなく返済できる人は、信用に値すると考えることができます。これらの点を総合的に見て審査をするので、ブラックの人でも審査に通る可能性が出てくるのです。
特に対面の場合、こちらが真摯な態度で臨み、返済をしっかりと行うことを伝えれば、担当者も相談に乗ってくれるものです。人柄も大切とよく言われます。
ただし勘違いしてはいけないのは、柔軟な対応=審査が甘い、というわけではありません。
ですので、ブラックでも誰でもokと言うわけではないのです。
審査の結果、落ちる人も当然出てきます。特に現在進行形で延滞しているような人や、債務整理中などの人は審査に通るのは難しいでしょう。
諦めも肝心?ブラックの情報が消えてから改めて申し込む方法をとる
人によっては、探してもなかなか融資してくれる業者を見つけることができないことも、確かにあります。属性も人それぞれです。
そういう人は、根気よく融資してくれる業者を探すしかないのでしょうが、そこまで時間を割くことができない、根気はない、という人もいるかもしれません。そこまで無理をしなくてもやっていけるという方もいるかもしれません。
ならばいっそのこと、ブラックにあたる情報が消えるまで待つという選択もありではないでしょうか。
信用情報機関では、信用情報の記録保管には期限がついています。
信用情報機関 | 保有期間 |
---|---|
JICC | 申込情報6ヵ月 契約・取引情報5年 |
CIC | 申込情報6ヵ月 利用記録(照会)6ヵ月 クレジット情報5年 |
KSC | 照会記録情報1年 取引情報5年 官報情報10年 |
ちなみにこれらの期間は、申し込みやローンの契約した日ではなく、契約終了した日より数えると考えてください。
これらから判断するに、申し込みブラックの場合は、半年待つといいでしょう。延滞や債務整理を行った場合は、短くて5年、長いと10年待つ必要があります。
そうやって考えると、状況によってはかなり長期間になるかもしれません。しかし、こればかりはどうしようもないでしょう。
しかも、金融事故を起こした会社での情報は半永久的に残ると言われているので、該当する金融機関で改めて申し込むことはできないでしょう。
ブラックokは謳い文句!全部ではないがそのほとんどが闇金?
先ほどは、中小規模の消費者金融があるとはいいましたが、実際には、「ブラックでもOK」や「審査なし」と言っている業者のほとんどが、実は闇金だったりします。
特に誰でも借り入れができるようなニュアンスを含むような広告は要注意です。
中小規模の消費者金融ならば知名度がないからこそ、対応も柔軟ということは伝えました。しかし、知名度がないからこそ紛れやすいという点で、このような正規の業者の中に闇金が紛れていることは多いのです。
また、誰もが知っているような会社名を少し変えて、あえて紛らわしくさせている闇金もあります。その紛らわしい会社名のために大手消費者金融と勘違いして申し込むような人をも狙っているのです。
情報サイトもまた、そのほとんどが闇金だと言う場合もあります。例え、なかなか貸付けしてくれるところが見つからないとしても、絶対に闇金にだけは手を出さないようにしてください。
闇金は法外な金利でもって返済を迫るので、一旦関わると大変です。闇金に関わると、融資によって安心できたとしても一時的なこと。その後は、それまで以上に借金地獄へ落ちることになります。
違いはここ!闇金と正規の業者の見分け方は登録番号を確認すること
とはいえ、正規だとしても知名度のない規模の小さな消費者金融と闇金を見分けることは、素人ではわからないかもしれません。
しかし、見分けるポイントはあります。
- 登録番号
- 金利
- 連絡先
登録番号とは、貸金業者としての登録番号になります。通常、正規の業者は貸金業者として行政に登録する必要があります。
関東財務局長(1)第234567号
都道府県をまたぐ場合は財務局長、単一の県で営業する場合は都道府県知事への登録、表記になっています。
( )の中の数字は、3年ごと行われる登録の更新の回数を表示しています。最初の登録が(1)になります。4年~が(2)、7年~が(3)と更新されていき、数字が大きければ、それだけ会社の社歴があるということになります。
この登録番号が表記されていない場合は、まず闇金と考えて間違いないでしょう。ただ、闇金の中には、架空の番号を使っている業者もあるので、できれば番号の確認をするようにした方が確実です。
金融庁のホームページでは、貸金業者の情報検索により、登録番号を確認することができます。これで架空の番号が正しいものか、はっきりと確認することができます。
また、登録番号の表記の中には、日本貸金業協会の会員登録番号も記入している業者が多くあります。この貸金業協会は必ず会員登録しなくてはいけない訳ではないため、規模の小さな業者の中には会員登録していない所もあるので絶対とは言えませんが、目安にはなります。
こちらのホームページにも検索機能はついているので、正規の業者かどうかを調べることができます。ちなみに闇金の検索機能もこちらにはあります。
金利については、法律で上限が決まっています。通常、消費者金融での説明部分でもそうですが、年率での数字としています。
貸付額 | 上限金利 |
---|---|
~10万円 | 20% |
~100万円 | 18% |
100万円~ | 15% |
金額によって上限が決まっているのですが、どちらにしても20%超える場合は、法律違反になるので、闇金と言っていいでしょう。
よくあるトイチは、10日(とおか)で1割の意味です。これは年利に直すと365%になります。ありえない金利です。
問い合わせをした際に返済について聞いてみて、金額しか言わずに金利の説明ができない場合は、注意が必要です。心配な時は、自分で計算してみてもいいかと思います。
どのみち、連絡先が携帯番号になっている所はまず闇金と考えて間違いないでしょう。個人ならばともかく、企業の連絡先が携帯番号というのは普通に考えてもあり得ません。
見極めは大事!確かな情報かどうかしっかり確認してから借りるべし
闇金と正規の業者の見極めは難しいかもしれませんが、今後の生活に大きく関わることなので、疎かにせずにきちんと確認するようにした方がいいと思います。
特に小さな消費者金融はホームページも持っていない場合が多くあります。しかし、登録番号(貸金業協会の会員かも)で調べることはできます。
また、中には怪しいものも紛れているのも確かですが、口コミも参考になることが多々あります。これも見極めが大事でしょうが、文章をよく読むとわかるようなものがたくさんあります。
いろいろな情報を見れば見るほど、確かな情報と怪しい情報の違いがわかってくるものです。
多少面倒かもしれませんが、しっかりと情報を得て、自分の状況に対して柔軟に対応してくれる消費者金融を見つけるのが、一番ではないでしょうか。
ただし、忘れてはいけないのは、あくまで審査だから絶対に通るとは限らない事。もし、審査に通ったら、きちんと返済を行っていくことです。これが、今後に繋がっていきます。