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個人事業専用と普通カードローンで借りやすさの違いを考えてみる

カードローンは、消費者金融や銀行など、いろいろな金融機関が取り扱っていますが、例えば1つの金融機関でもその中でコースがいくつか分かれているところもあります。

慣れない場合、特に初めてだとそのいろいろなコースの中で、自分がどのカードローンでお金を借りるのがいいのか悩むところかもしれません。

個人事業で生計を立てている場合も、カードローンのコース選択に悩むところでしょう。というのは、個人事業主専用のコースを用意している金融機関が多くあるからです。

1つの金融機関で個人事業主専用のコースと通常のカードローン商品、どちらの方が借りやすいか比べてみたいと思います。

カードローンの使い道は自由!しかし個人事業主の場合は要注意

コースが多様化しているカードローンですが、商品によっては気をつける必要が出てくるものもあります。というのは、それぞれのコースには優遇される内容があるかわりに条件がついている場合があるからです。

例えば、通常のカードローンでは、年収の1/3の以上の借り入れは法律的に無理ですが、おまとめや借り換えコースの場合は年収の1/3以上の融資が可能となっています。しかし、代わりに必要額のみの融資であったり、限度額内であっても追加融資は不可能になってしまいます。

これはおまとめの場合の例ですが、当然他のコースでも同様に条件があったり、提出書類が多く必要になったりとコースによっていろいろと条件なりが出てきます。

個人事業の場合は通常のコースでも注意が必要なことがある!

個人事業主の場合も気をつける点が多々あります。ただこの場合、専用コースでの注意も当然あるのですが、それ以前に、元々通常のカードローンを申し込み利用する時にも注意が必要だったりします。

どのような点に注意しなければいけないのでしょうか。

通常のカードローン利用時の注意点やデメリット

  • 使用使途目的が事業性では使えない場合がある
  • 総量規制の対象になる
  • 借入額は、最初は小額からが多い
  • 個人事業主の場合、提出書類が別に必要になる場合がある
  • 個人事業主の場合、一般のカードローンでは属性が低く見られる

カードローンでは、貸金業法にある「総量規制」により、融資額の上限が年収の1/3までと決まっています。また、どこでもそうなのですが、融資額は最初の頃は小額から始まることがほとんどで、実績を積むことによって限度額が上がっていくパターンが多いです。

そのため、思ったよりもお金が借りられなかったと思う人もいるかもしれません。

そもそも銀行系のカードローンに多いのですが、使用使途目的が事業性だと借りられないカードローンもあります。

融資後に使用目的についてチェックがあるわけではないので、生活費目的で借りて事業資金として使ってもわからないかもしれませんが、実際には契約違反になりますし、その後決算書の作成時には自分が困ってしまうことになります。

個人事業主がカードローンを申し込む際のデメリットも踏まえて、注意しなくてはいけないことは多々あります。

銀行のカードローンで事業性資金として使えるのは意外と少ない?

上記でも少し触れたのですが、一般的なカードローンでは、事業性資金として使えない場合が多々あります。これは消費者金融と銀行とで見た場合、銀行の方が制約されている商品が多いようです。

消費者金融の場合、事業性資金として使用も可能と書かれている業者もありますが、敢えて触れていないところもあり、実際には大丈夫なのか心配な人もいるかもしれません。

しかし、事業性資金について触れていない業者100%とまでは言わないまでも、多くの業者は事業性資金での使用も可としているようです。

心配な方は、申し込む際に確認してみるといいでしょう。

逆に銀行では、多くのカードローンの商品概要の使用使途目的の項目で、「事業性資金を除く」と表記されています。銀行のカードローンでは、事業性資金で借り入れすることはまずできないと考えた方がいいです。銀行の場合、元々企業向けの商品もあるので、そちらを勧めたいのかもしれません。

とはいえ、カードローンでも事業性資金として使える商品がないわけではありません。

事業性としても借入可能の銀行のカードローン

銀行名 限度額 金利(年率)
スルガ銀行カードローン
リザーブドプラン
800万円 3.9~14.9%
みずほ銀行多目的ローン 300万円 5.875%・6.550%

※金利は金融情勢により、変動する可能性があります。

みずほ銀行の多目的ローンの場合、事業性資金としても使えるのですが、資金使途を証明する書類の提出が必要で、当行が認める資金使途に限るという条件があります。少し厳しい感じがするかもしれません。

このように審査においては、少なからず手間や労力が必要になる可能性があることは頭に入れておいた方がいいでしょう。

1つの金融機関でもいろいろなカードローン商品がある

今は消費者金融だけでなく、銀行や信販会社もカードローンを取り扱うことが多くなりました。それだけ需要があると言うことでしょう。同時にただ需要がある理由にもなるのでしょうが、良い意味でカードローンに対する世間のハードルが低くなったとも言えます。

確かに昔は借金そのものが悪いことのようなイメージがあったり、借金取りの恐ろしいイメージがあったからこそ利用者は少なかったとも言えますが、今は身近な存在として多くの人に役立っていることは確かです。

だからこそと言えるのでしょうか。多くの金融機関が扱うだけでなく、1つの金融機関でいくつものコースを作って積極的な宣伝を行ってもいます。

通常のコースの他に、よくあるコースにはどんなものがあるのでしょうか。

  • 女性コース
  • おまとめ・借り換えコース
  • 個人事業主用コース
  • 若者向けコース
  • 目的別コース

コースによっては限度額が大きかったり、金利が多少優遇されていたりなどのメリットが見られます。中には女性コースのように、具体的な数字でのメリットはないものの対応が全て女性など数字以外の点で配慮さているコースもあります。

これだけいろいろあるとどれがいいのか迷うかもしれませんが、カードローンは、通常限度額内ならば何度でも借入可能なのですが、これらのコースを上手く利用することも可能です。

どちらがいい?通常のカードローンと事業主専用の商品との違いは

カードローンにはいろいろなコースがあると言いましたが、当然、取り扱っている金融機関もまた様々にあります。

それらを踏まえた上で、個人事業主が申し込みできる先にはどのような金融機関やカードローンがあるのでしょうか。また、これらの内、どのタイプがいいのか、順に見てみたいと思います。

消費者金融や信販会社の場合は専用コースもあって充実している?

消費者金融も多くのニーズに答えられるようコースを設定していますが、特に大手消費者金融が事業主のためのコースを作っています。

一般的なカードローンと事業主専用カードローンがある貸金業者

貸金業者名 通常カードローン商品名
限度額
金利
事業主専用カードローン商品名
限度額
金利
アコム アコムカードローン
800万円
3.0~18.0%
ビジネスサポートカードローン
300万円
12.0~18.0%
アイフル キャッシングローン
500万円
4.5~18.0%
事業サポートプラン
(無担保ローン)
500万円
6.0~18.0%
プロミス フリーキャッシング
500万円
4.5~17.8%
自営者カードローン
300万円
6.3~17.8%
オリックス オリックスVIPローンカード
800万円
3.0~16.8%
ORIX CLUB CARD
500万円
6.0~17.8% 

  

事業主専用のカードローンもいろいろありますが、気をつけなければいけないのは、使用使途が生活費も含めた自由となっている場合と、事業性資金専用としてのカードローンになっている場合です。

また上記でも触れたのですが、消費者金融の場合、通常のカードローンでも事業性資金として使える商品もあり、資金使途について「事業性を除く」と明記していない場合は、事業性資金としての借入も可能なことが多いです。

ただ、プロミスは、事業性資金での利用も可能であることをわざわざ明記しているので、こちらは確実に事業性として使っても問題ないでしょう。

ビジネスローン専用の会社を使うという手もある!

それ以外にもビジネスローン専用企業として知られている会社もあります。

他の消費者金融よりも事業者向けのローンの専門企業ということで頼りになるローンと言えます。

ビジネクスト株式会社の商品

商品名 ビジネスローン カードローン
対象者 法人または個人事業主
申込時年齢満20歳~満69歳
法人または個人事業主
満20歳~満69歳
限度額 1,000万円 1,000万円
(新規取組時は上限500万円)
利息
(実質年率)
8.0~18.0% 8.0~18.0%
延滞損害金
(実質年率)
20.0% 20.0%
担 保 不 要 不 要
保証人 原則不要
※ただし、法人の場合は代表者に連帯保証必要
原則不要
※ただし、法人の場合は代表者に連帯保証人が必要
返済方式
返済期間
回数
元利均等返済
最長5年
(60回以内)
元金一括返済
最長1年
(12回以内)
元金定率リボルビング方式
最長5年
(60回以内)
必要書類 【法人の場合】
代表者本人を確認する書類
登記事項証明書
(商業登録簿謄本)
決算書原則2期分等
【個人事業主の場合】
本人を確認する書類
確定申告書原則2年分、等
【法人の場合】
代表者本人を確認する書類
登記事項証明書
(商業登記簿謄本)
決算書原則2期分
【個人事業主の場合】
本人を確認する書類
確定申告書原則2年分、等
契約時締結費用 印紙代(実費) 印紙代(実費)

株式会社ビジネスパートナーの商品

商品名 スモールビジネスローン
融資対象 法人または個人事業主
満20~満69歳
限度額 500万円
利息
(実質年率)
9.98~18.0%
延滞損害金
(実質年率)
20.00%
担保
保証人
原則不要
※ただし法人の場合、代表者の連帯保証人が必要
返済方式 借入時残高スライド元金定額リボルビング返済
返済期間
回数
最長5年
(60回以内)
必要書類 【法人の場合】
代表者の本人確認書類
登記事項証明書
(履歴事項全部証明書)
※発行後3カ月以内のもの。
印鑑証明書(法人、個人のもの)
※発行後3カ月以内のもの
決算書
(原則間近2期分)等
【個人事業主の場合】
本人確認書類
印鑑証明書(個人のもの)
※発行後3カ月以内のもの
確定申告書
(原則間近2年分)
当社所定の借入計画書、等
契約締結費用 印紙代(実費)

これらはほんの一例ですが、それでもざっと見ると、一般の消費者金融のカードローンとの違いが見えてくると思います。

ビジネス専用ローンのメリット

  • 事業主が対象なので、相応の審査の判断基準で判断してくれる
  • 法人でも個人でも借入可能

ビジネス専用ローンのデメリット

  • 必要書類が多い
  • 審査に多少時間がかかる
  • 金利は高め
  • 借入金は基本的に事業性資金での使用になる

こうやって見ると、一般的な消費者金融だけでなく事業主専用のカードローンもあるということで、選択範囲が広がります。

逆に広がったことにより、どこにしようか、悩んでしまうということもあるかもしれません。しかし、自分がどう借りたいか、借入や返済時の条件や方法なども違いがあります。一度比較してみるといいのではないでしょうか。

道は1つではない!事業用経費として借りるならば公的機関もある

生活費、または経費が必要になった際、カードローンは借りやすいのかどうかを見てきたのですが、では他の資金調達方法はあるのかどうか。

人によってはカードローンよりも先にこちらを考えるかもしれません。

公的機関からの借り入れです。

どのようなものがあるのでしょうか。

  • 日本政策金融公庫
  • 中小企業制度融資
  • 総合支援金貸付

いくつか方法はあるのですが、この中で総合支援金貸付は、事業的な貸付けというよりも生活支援に対する貸付になるので、若干話は変わってくるかもしれません。(窓口は自治体の社会福祉協議会)

企業の為の貸付けだからこそ日本政策金融公庫で借りる人は多い

カードローンによっては、起業時には借りられないということもあり得ます。しかし、日本政策金融公庫の場合、起業の場合も借りられますし、企業の規模や業種によって様々な融資制度を持っています。そのための公庫ですから、当たり前と言えば当たり前えなのでしょう。

日本政策金融公庫の貸付一例(普通貸付)

資金の使い道 運転資金 設備資金 特定設備資金
対象者 事業を営む人
(ほとんどの業種で可能)
事業を営む人
(ほとんどの業種で可能)
事業を営む人
(ほとんどの業種で可能)
限度額 4,800万円 4,800万円 7,200万円
利率 2.25% 2.25% 2.25%
返済期間 5年以内
(特に必要な場合7年以内)
(据置期間1年以内)
10年以内
(据置期間2年以内)
20年以内
(据置期間2年以内)

※利率に関しては、無担保の場合の基準利率になっています。担保を提供したり、利用制度によっては大きく金利が変わります。

これはあくまで一例になり、業種や、例えば成績が悪化した場合や災害に会った場合など、営業状況によって様々なコースがあります。

中小企業制度融資は自治体によって違いがある?

中小企業制度融資は、各都道府県が取り扱っている融資制度になります。ただ企業の支援だけでなく、企業を支援することによる地域活性も目的に含まれています。

そのため、住んでいる自治体によって融資のコースや融資額、金利など、いろいろと違いがあります。やはり提出書類がいろいろと必要になってきますが、金利はおおよそ1~2%台が多いようで、かなり低金利で借りられると考えると、致し方ないかもしれません。

取扱金融機関が各地域の都市銀行や信用金庫になっているため、申し込み先も金融機関が中心となっていますが、商工会議所などでも対応しているようです。

詳しいことは、やはり自治体の担当窓口で聞くのが一番でしょう。(中小企業振興課、中小企業金融課やそれに類似している課)

使い道には要注意!後で自分が困らないために把握しておくことは必要

事業主としては、規模の大小にかかわらず、公的な貸付け支援を含め、いろいろと手だてがあることがわかったと思います。

個人事業主と言っても、たった1人で副業的にやっている人もいれば、家族経営、いわゆる自営業として行ったり、場合によっては従業員を雇っているなど、規模により多少なりとも違いがあります。

いろいろな規模がある中で、特に1人で業務を行っている場合は、何かと経理・会計が煩雑になりがちです。しかし、それが場合によっては後で自分が苦しむことになりかねません。

というのは、カードローンのタイプによっては、融資額が事業費のみとなっている場合があることは、上記の説明ですでに承知のはずです。

金融機関が事細かにチェックに入るわけではないので、借り入れや返済において困るというわけではなく(もちろん契約違反になる場合もあるので、その点は要注意です。)後日、経理をまとめる際に自分が困ってしまう可能性があるということです。

どのような金融機関で借り入れしようと、どのような形で借り入れしようと、自分できちんと生活費と事業費の区分けをしておくべきだと思います。

事業にお金を回して生活費を借りるという方法もある!

事業費と生活費をきちんと区分けし把握した形で行う前提がいいのは当然でしょうが、確かに借り入れの方法として、自前のお金は事業費に回し、生活費を借りる方法も可能ではないでしょうか。

もちろん、最初から事業費としてカードローンから借り入れを行う方が経理上や生活状況上、整理がつきやすく都合がいいならば、事業費を借りる形でいいと思います。

先も言ったように個人事業にも様々なタイプがあります。自身の事業体系にあった形で借り入れする先と商品でもって資金調達を行うのが一番でしょう。

どのカードローンが借りやすいのか?それぞれ特徴を踏まえて考える

カードローンにもいろいろなコースや特徴があることがわかったと思います。また、場合によっては、専用の業者や公的基金を利用する方法もあることはわかりました。

整理すると、個人事業主がお金を借りる方法はこれだけあることになります。

  • 通常の事業性資金での使用が可能なカードローン
  • 消費者金融やカード会社が扱っている事業主専用カードローン
  • 事業主専用の商品を扱う会社のカードローン
  • 公的機関の融資制度

単純に借りやすさだけでいえば、誰でも借り入れができる一般のカードローンの方が、手間がないと言えるでしょう。提出書類も、基本的には他のカードローンより少ないようです。(使用使途によっては、提出書類が増える可能性はありますが)

しかし、審査の可否の判断基準については教えてもらえないまでも、そもそもの基準として、事業主に有利にはなっていないことは想像するまでもありません。(だからこそ、公務員や大手サラリーマンは属性がよく個人事業主は属性が低いとされているとも言えます。)

また、上記でもあげたように、注意点やデメリットも多々あります。

そうやって考えた場合、単純に「借りやすさ」としては、手間や労力だけの問題とも言えなくなります。

もちろん審査があるので、希望したカードローンがそのまま利用できるとも限りませんが、今まで説明したそれぞれのカードローンの特徴を踏まえて、自分が何に使うつもりでお金を借りるのか、そこから振り返って選択するのが一番ではないでしょうか。

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